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ニューラルネットワークライブラリをオープンソース化しました

2017年6月27日 火曜日

ニュース

Posted by Takuya Narihira

本日、ソニーで開発してきたニューラルネットワークライブラリをオープンソースとして公開しました。

ソニーでは2010年よりディープラーニングの研究開発を続けてきました。 我々はディープラーニングの持つ力を目の当たりにし、この技術は世の中でより広く活用されるべきであると確信しました。 そしてその価値を最大限に引き出すために、ソニーに何ができるのかについて真剣に考えるようになりました。 今回のコアライブラリの公開は、その一つの帰結としての施策です。

本ライブラリはソニーにおけるディープラーニングライブラリとしては三代目にあたり、その設計には長年のディープラーニングの研究開発を通じて培ったノウハウが生かされています。 先端研究開発はもちろん、応用技術の開発から製品・サービスへの搭載まで、様々なシーンにご活用いただけるのではないかと考えています。 是非、我々のコアライブラリを皆さんのツールセットのひとつに加えていただければと思います。

本ライブラリは以下のような最新のディープラーニングライブラリに求められる機能を兼ね備えています。

  • CUDA対応
  • 柔軟なニューラルネットワークの設計、試行錯誤を実現するPython API
  • 動的グラフに対応
    • 速度とメモリ効率に優れた静的グラフと、フレキシブルなモデルデザインを実現する動的グラフの両方をサポート
  • 豊富なニューラルネットワークモジュール(関数、Optimizer)を搭載
    • 開発者による新たなモジュールの追加も容易
  • 様々なプラットフォームで動作する、軽量なC++コア
    • 本ライブラリはLinux、Windowsの両方でテストされています
  • 高速な実行と高いメモリ利用効率
    • 計算グラフエンジンはオーバーヘッドの少ないForward/Backward演算、安全なin-place計算、メモリ共有を実現します
  • プラグインスタイルの特定デバイス向け実装
    • 開発者は関数の実装に集中して新しいデバイス向けの実装を追加することができます

さらに詳細な解説については今後のblog記事で紹介していく予定です。

ご存知の通り、ディープラーニングの活用シーンは日を追うごとに広がり続けています。 数年後には今の我々には想像すらできないようなディープラーニングの新しい使い道が数多く提案されていることでしょう。 開発者一同、本ライブラリを通じより多くの方にディープラーニングの持つ可能性を引き出していただくことを期待しています。

ディープラーニングに関わる世界中の研究開発者の皆さん、本ライブラリの公開に関わられた全ての方に敬意と感謝を込めて。

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